中国知識人の三国志像

6,480円(内税)

文化現象としての三国志像は、古今を通じて中国を表す鏡であり、古の中国を分析する恰好の材料であると同時に、現在と今後の中国を知るための手がかりとなるというのが著者の視点。陳寿の時代から宋代までの三国志をめぐるさまざまな言説について分析し、その時代性と、三国志観が次第に正統の概念と深く関わるようになる経緯を考察する。 序章 問題提起/先行研究および既存の三国志像と、本書の視座/「正統」の語について 第一章 陳寿の尊晋と『三国志』 陳寿の生涯と同時代評価/陳寿の三国描写/陳寿の「不遇」と『三国志』/『三国志』の示した意義 第二章 『後漢書』荀?伝と范曄の「天下三分」観 荀?の「漢の忠臣」化/范曄の三国論 第三章 再士官への希望と曹操評価―『漢晋春秋』の「蜀漢正統論」について 両晋南北朝期の三国人物論/初の「蜀漢正統論」とその実態/曹操に投影された桓温の影 第四章 江東寒門の怨念と孫呉正統論の挫折―干宝『捜神記』を中心に 孫呉正統論の胚胎/干宝と孫呉/于吉と干吉 第五章 『世説新語』の三国描写と劉義慶 『世説』は蜀漢正統論の書か/『世説』と三国正統論/名門の称揚と反曹/『世説』撰者は誰か/文帝の皇弟抑圧と「皇弟」劉義慶/ふたりの「文帝」/司馬炎への批判的筆致と『晋書』/「皇弟」と潁川荀/『世説』の編纂時期と劉義慶 第六章 唐代における史学の展開と三国論 曹魏の位置づけと禅譲/李世民と曹操/『史通』の曹魏描写と劉知幾の唐朝観 第七章 ?淵の盟と曹操祭祀―真宗朝における「正統」の萌芽 北宋朝の曹魏尊崇/『冊府元亀』の三国正統論/真宗朝の曹操尊崇/三国志観の一大画期 第八章 宋代における三国論の展開と「正統」 北宋中期以降の三国論/正統論の確立者/蘇軾と三国志観の過渡期/『資治通鑑』に見る三国の「正統」/二程から朱熹へ/宋儒の三国観と孟子受容/「正統」の語について 終章 まとめ/三国志観の画期と「正統」/中国を映す鏡としての三国志 文献表/あとがき/索引 田中靖彦著 研文出版 A5判 364頁

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